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ピアノ伴奏歌曲の世界 

一発屋の元祖?

今日の演奏会でリストの歌曲が取り上げられることはほとんどない。実はリストの生前にも、彼の大量にある曲の中で多くの歌い手に取り上げられたのは、すばらしいことにちがいない」だけだった。「おお愛してください、愛しうる限り」は「愛の夢」としてピアノにアレンジされたバージョンは有名だが、オリジナルのピアノ伴奏版はむしろその影に埋もれてしまった。久保田早紀の「異邦人」、クリスタル・キングの「大都会」みたいなものと考えると、分かり安いかも。

ただし今日ではすばらしいことにちがいない」はほとんど聴かれることはい。むしろ「おお!僕がまどろむ時」の方が、リストの歌曲の代表のようにみなされている。すばらしいことにちがいない」を聴いても、それほどパッとしないので、なんでリストの生前に人気があったのか不思議だけど、流行歌なんてそんなものなのかもしれない。

リストの歌曲

リストが書いた歌曲は70曲以上あって、その3分の1以上の曲に1つないし2つ以上の改訂稿が存在する。改訂の多くはワイマール時代に行なわれたが、改訂の度合いはわずかな修正から、完全な新作に近いものまで様々で、「第2稿」とすべきか、「第2作」とすべきかは曖昧になっている。

全歌曲のほぼ半数を、リストはピアノ演奏活動をしていた1839-47年に書いていて、ワイマール宮廷楽長時代の1848-58年には20曲を超えるくらいである。

その後10年間のブランクがあって、1871年から1884年までに16の歌曲が書かれた。「祖先の墓」の桶ストレーションを1886年におこなったのが、リストの最後の作曲だった。
愛聴盤

ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
ダニエル・バレンボイム(ピアノ)

録音1979年11月、1981年1月 ベルリン

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