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交響詩第2番 「タッソー、悲劇と勝利」Tasso, lamento e trionfo

解説

この曲はゲーテ生誕100年祭に当たって、彼の戯曲「タッソー」が1849年にワイマールで上演された際に、序曲として演奏された。残念ながら最近ではめったに演奏されない曲の1つである。

トゥレント・タッソーはイタリア・ルネッサンス期最大の詩人である。「開放されたイエルサレム」が有名で、後世にこの作品を題材とした音楽作品は枚挙にいとまがないほどである。多くのソネットを作りアルフォンス公の妹に捧げるが、狂気を発して公に監禁される。その後長く悲惨な放浪生活を送るが、彼の功績を惜しんだローマ法王に桂冠詩人としてローマへ招かれる。しかし式を待たずに51歳で波乱に満ちた生涯を終えた。

リストがこの曲の中心主題として用いたのは、以前ヴェネチアを訪れた時にゴンドラの船頭が歌っていた旋律である。1949年の初演後も何度か手を加えられ、1954年に現在の形となった。

曲のテーマ

曲は題名通り嘆きの部分の前半と、桂冠詩人として死後の勝利を得たことを描く後半の2つの部分に大きく分けられている。作曲に当たってのリストの目的は、この天才詩人に対する同時代人の誤解と、後世では光り輝く栄光に包まれるという、2つの全く異なる様相を1つに結びつけることであった。

愛聴盤

ベルナルト・ハイティング指揮/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団

録音1968年11月 ロンドン

リスト・交響詩全集1

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