ピアノ楽曲 管弦楽曲 歌曲、宗教曲 リストの生涯 リンク
バッハの名による前奏曲とフーガ 

解説

リストのオルガン代表作品というだけでなく、ロマン派のもっとも重要なオルガン作品のひとつ。ドイツ最大のオルガンとして改修されたメルゼブルグ大聖堂のオルガンの響きに霊感を受けて作曲された。初演もここのラーデガスト・オルガンで演奏された。

曲について

曲はバッハ(BACH)の名前を音名に読み替えた B=シ♭ A=ラ C=ド H=シ の音形に基づいている。

ます低音でこの主題のペダルでこの主題が提示されて前奏曲が始まる。性格としては、即効的でトッカータ風である。主題そのものが半音階的なため、それと密接な関係にある減7和音が多様されて、和声上の可能性が徹底的に追求されている。手鍵盤の手法はヴィルットオーゾ・ピアニストであるリストが自分で弾きながら試した後が如実にうかがえよう。

フーガもBACHの4和音を含む主題で書かれている。フーガは神秘的で壮麗な響きで始められるが、バロックの伝統的なフーガとは異なり、テンポの変化もあってかなり自由に作られている。しかし1850年代のリストに特徴的な、主題・動機の労作がここでも作品の統一に大きく寄与している。曲はオルガン全奏によって壮大に締めくくられる。

リストは1870年にこの曲の改訂稿を作った。しかしフーガに入る直前の部分や、フーガの中間部分(急速な加工音階の連続する部分の直後)などの一部パッセージを除けば、初稿と改訂稿は本質的にほとんど同じといえる。

愛聴盤

トーマス・トロッター(オルガン) 1855年オリジナル版


録音1992年メルゼブルグ大聖堂

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