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超絶技巧練習曲 tudes d'ex cution transcendante
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解説 リストの最初の大きな曲集で、その後何度かの改定が行われた。「リストの曲を正しく演奏することは、技術的にも音楽的にも尋常ならざるほど難しい」とクラウディオ・アラウは言っている。 |
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成立の過程
1826年、15歳のときに「すべての調性のための48の練習曲」で初稿を出版。タイトルと違って実際には12曲しかなかった。 これを1837年に拡大して第2稿「24の大練習曲」が出版される。これもまた12曲しかなかった。このヴァージョンは1851年の最終稿比べるとはるかに難易度が高い。アラウは「いかなるピアニストにとっても演奏不可能」といっている。これはピアノが現在のものと違って鍵盤が軽く弾きやすかったためのようで、その後改訂された理由は進歩していくピアノに合わせるためだと考えられている。 1940年に更に改定。1847年に「マゼッパ」とタイトルをつけて出版。ちなみにマゼッパとは不倫のために野生の馬に縛り付けられてウクライナまで運ばれるという刑を受けた人物。 1851年、リスト41歳の改定稿で全12曲中10曲にタイトルがつけられた。今日もっとも頻繁に演奏されているのはこの稿である。 |
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構成 第1曲『前奏曲』はいわばウォーミングアップ。短いがピアニストの指が鍵盤上を走り回る輝かしい小品。 第2曲はイ短調で、リストに大きな影響を与えたパガニーニの影響が感じられる。 先の2曲と対象をなしているのが静かな性格の第3曲『風景』 。 第4曲『マゼッパ』 は最高級のピアニストにのみ演奏可能な輝かしい作品。 この作品集の中でも特に有名で、リストがオーケストラのために改作した同名の交響詩もある。 第5曲『鬼火』 にはデリケートなイメージが感じられる。 第6曲『幻影』 は力強くダイナミックな作品で、これも難曲。 序奏を『ロッシーニとスポンティーニの主題による華麗な即興曲』から取ったのが、第7曲の『英雄』 。 第8曲『荒々しき狩』 も極めて輝かしく、ドイツ・ロマン派の特徴ともいえる狩の雰囲気を醸し出している。 第9曲『回想』 の主要主題はショパンを思わせるが、この当時リストはまだショパンをしらなかったはずである。 第10曲 も第2曲同様タイトルがない。 第11曲『夕べの調べ』は穏やかでしっとりした雰囲気を持っている。 第12曲『雪あらし』は激しい風が吹きすさび雪に覆われた風景画。 |
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愛聴盤
クラウディオ・アラウ(ピアノ) |
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