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ピアノ・ソナタ ロ短調
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解説 楽曲の雄大な規模と詩的な気高さ、リストの代名詞でもある恐るべき難技巧が随所に散りばめられた内容から、ワイマール時代のリストの円熟ぶりをみることができる作品。しかしワーグナーが絶賛したこのソナタは、評論家たちから激しい非難と攻撃の血祭りにあげられてしまう。 さらに1857年に弟子のハンス・フォン・ビューローによってこの曲が初演されたのがきっかけとなって、賛否両論の大論争が展開された。こうした論争が起こったのも、この曲がソナタとしては全く破格な形で書かれ、まさに前衛的な、とびきり新しい内容をもつ楽曲であったためである。 |
構成 このソナタは単一楽章、つまり全曲が中断なしに演奏されるひとつの楽章によって構成され、リスト自身の創案による交響詩のように、特定の基本動機の繰り返される再現と変形によって、極めて大掛かりな拡がりを見せながら展開されていく。 大きくは3部に分かれていて、それが呈示、展開、再現という、ソナタ形式の3部分にも当てはまる。また、中間の展開部に当たるパートはアダージョのような楽想がとられているため、これを第2楽章とする3楽章のソナタとも考えることが出来る。 激しく転調する提示部は、必要に応じてロ短調とニ長調にもとづいていることが分かる。そして嬰へ長調のアンダンテでは通常の4分の3、ないし8分の6拍子はとらないにしても、スケルツォ的な性格は持っている。再現パートではそれまで主調で現れる機会の少なかった全ての主題が主調で現れる。 |
詳細 提示部 展開部 再現部 |
愛聴盤
ジャン・フランソワ・エッセール(ピアノ)、ヴリュノ・パスキエ(ヴィオラ) 録音1989年 アルル |
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