ピアノ楽曲 管弦楽曲 歌曲、宗教曲 リストの生涯 リンク
詩的で宗教的な調べ Harmonies Poetiques et religieuses

解説

リストの数多いピアノ曲集のなかでも、ひときわ生彩をはなつ名作揃いの作品集。1845年から1852年の間に作曲された十の小品から構成されている。

それぞれの楽曲につけられたタイトルは、リストがフランスの詩人、ラマンチーヌの詩集から借用したもの。それぞれの詩に関連性はないが、全体を通してみると極めて多様性を持った個性の中に、あるひとつの原理を見出すことが出来るの作品集である。

ただしこのピアノ曲集に収められているすべての作品がラマンチーヌの詩と直接のつながりがあるわけではなが、精神性の類似、共通理念といったものは間違いなく存在する。

葬送曲

この曲には革命的な行動によって処刑された14人のハンガリーの勇士たちの死をいさむ気持ちが表されている。
同時にこの曲は自由を求めるハンガリー人の戦いに挫折した絶望を表し、人々の理想が鮮やかにたち昇ってくる。

そして「葬送曲」はまた、ショパンの「変イ長調ポロネーズ」の中間部分と類似しており、ショパンの死とも明らかに関連があると考えられている。

葬列を表す厳格なリズムから始まって、ピアノの最低音部が葬送の鐘を重く響かせ、次第に気高い力を解き放っていく。

愛聴盤

イーゴリ・ニコーノヴィチ(ピアノ)

録音1993年7月 モスクワ音楽院大ホール

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