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ベートーヴェン交響曲編曲集 Beethoven - Symphonies 

解説

オーケストラ曲をピアノに編曲する場合、長く伸ばす音や弦楽器による同音の繰り返しなどの諸問題、そして決定的な楽器の音色という高いハードルがあるため、どうしても物足りなさを感ぜざるを得ない作品が多い。そうした中でこのリスト編曲のベートーヴェン交響曲は、リストのピアノ技法と想像力、英知を結集した見事な「作品」となっている。

リストはベートーヴェンの偉大な9つの交響曲の今まで産み出されてきた多くのピアノ独奏曲版は、その“偉大さ”をピアノ版に移しかえることができていない、だから自分がチャレンジするのだと述べている。また、ベートーヴェンの交響曲をピアノ独奏に編曲することは、ピアノという楽器自体の発展が可能にしてくれている、ということも言及しているが、リストによるピアノアレンジでは様々な難所が創意工夫によって見事に克服されており、ピアノ曲として完成されているといえるだろう。

リストは1835年頃から第5番を編曲し始め、1837年夏頃にジョルジュ・サンドの家でマリー・ダグーと共に過ごしていた頃、5番、6番、7番を第1バージョンとして完成させた。その後1841年に第3番“英雄”の葬送行進曲を編曲、1851年には第9番を2台のピアノのために編曲した。その後ローマに定住して、1863年より残りの交響曲の編曲が再開され、1865年に出版。その全てがハンス inserted by FC2 system