1959年にマーラー生誕100年祭の企画がイギリスBBCで持ち上がり、デリック・クックにより補筆完成されたものが、1960年にBBCで放送された。それは草稿の一部に欠損したところがあり、アルマの怒りをかう。その後、演奏を耳にして考えを変えたアルマの前面協力により、欠損していた部分の草稿がクックに渡され、1964年に修正版が演奏される。 その後も細かい修正は続けられ、1976年になって<クック第2版>として初めての全曲出版がなされ、クックによる補筆版は一応の完成となった。
第1楽章 マーラー自身によって完成に近いところまで手がけられた、唯一の楽章。通常はアダージョと呼ばれているが、途中にアンダンテも置かれている。 始まりはヴィオラが奏でる主題。 ヴィオラの主題 アダージョ開始部の旋律 怪奇的な雰囲気を漂わせながら、曲はカタストロフと呼ばれる9個の音からなる和音へとつながっていく。 カタストロフ(16:00)