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交響曲 第4番 ト長調

作曲:1899〜1900年  
初演:1901年11月、ミュンヘンでマーラー自身の指揮によって行われた
出版:1902年、ウィーンのドブリンガー社


クリスマスを思わせるような鈴の音とフルートの序奏ではじまり、≪天上の生活≫をイメージした終楽章で終わるこの曲は、マーラーの交響曲の中でもとりわけ明るい印象が残る。

それぞれの楽章に表題はつけられていないが、死後の幸福な世界を想定していると考えられ、喜びに満ちたような明るい主題が多く用いられている。

第4楽章はもともと「子供の不思議な角笛」の中の1曲としてピアノ伴奏の歌曲として作曲されたもの。その後オーケストレーションのアレンジで交響曲第3番の最後に使用される予定だったが、その案はボツになりこちらに転用された。




第1楽章 

鈴の音とフルートの可愛らしい序奏の出だし。この鈴はその後何度も登場する。
すぐに第1主題がきて、明るい経過部のあとに第2主題が続く。

 第1主題
 

 第2主題
 

展開部は冒頭と同じ鈴ではじまる。
途中(11:00あたり)、第5交響曲の主題を予告するようなメロディがでてくるが、すぐに第1主題へと戻る。
ホルンソロのあと、コーダでは次第に速度が上がり、アレグロとなって華々しく終わる。

第2楽章 

最初は≪死の舞踏≫という表題がつけられたこともある。
その死の世界をあらわすかのように、ホルンのソロに続いて
ヴァイオリンが幻想的な最初の動機を奏でる。

 
最初の動機
 


ゆったりとした第1交響曲を思わせるような旋律に絡んで最初の動機が形を変えて何度も登場し、最後はあっけなく終わる。

第3楽章 

この楽章はマーラーが初めて書いた本格的な変奏曲でもある。
まずチェロがゆるやかに第1主題をうたい、それにヴァイオリンが加わる。

 第1主題
 


第2主題はオーボエではじまり、盛り上がりをみせた後に静かな幕引きとなる。

 第2主題
 


第1変奏はスピードをあげた優雅なもの。

第2変奏はチェロの旋律で優美な舞曲風にはじまり、突然アレグロとなって陽気さを増す。

アダージョの第3変奏、壮大な第4変奏でクライマックスがきて、続いて第4楽章の素材が連続して流れる。

第4楽章

第3楽章のクライマックスでも流れた天上の動機で始まる。もともとが歌曲なせいか、交響曲として聞くには異質な感がある。

 天上の動機
 


歌詞は「天上の生活の喜び」について歌ったもの。
第2部で「屠殺者ヘロデスと子羊の犠牲」を歌い、冒頭の鈴の音で第3部が始まる。

最後は独唱が「地上は天上に比べられるものはない」と天国の幸せを強調し、ハープとイングリッシュホルンで静かに幕は閉じられる。


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