第1曲<彼女がとつぐ日>
華やかな婚礼の音楽を思わせる独特の旋律がこの曲の中心楽想で、固定観念のように若者につきまとう。
‘いとしい彼女がとついでゆくと、幸せそうにとついでゆくと
悲しい日々が僕を襲った’
「最後までひっそりと、悲しそうに」と指定されていて、愛する恋人に裏切られた悲しみを哀切に歌ってゆく。
第2節で
‘青い花よ!青い花よ!しおれるな
やさしい小鳥よ!やさしい小鳥よ!お前は緑の野原で歌う’
と歌い、第3節では
‘鳥よ歌うな!花よ咲くな!
春はすでに過ぎ去ってしまった’
と歌われ、感傷的な表情は深まり、最後はさびしそうに終わる。
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第2曲<朝の野原を通ったときに>
この歌の冒頭の旋律は「第1交響曲」の第1楽章にも使われている。
若者の前に太陽に満ちた世界が開けて、この世の美しさをたたえる鳥や花たちの挨拶が明るく歌われる。
‘朝の野原を通ったときに、
草の葉に露がおりて、鳥たちが陽気に語りかけてきた’
曲の最後で速度が落ちるとともに、すべての幸福からとり残された悲しみの表現となる。
‘それじゃあ、僕の幸福は開けるのかい?
いや、いや、僕は思う
僕の人生に花咲くことなんて有り得ないさ’
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第3曲<ぼくは真赤に焼けたナイフを>
「嵐のように激しく」と指定されたドラマチックな展開の、絶叫調ラヴ・ソング。
?O weh !?という叫びが絶え間なく繰り返される。
‘僕は真っ赤に焼けたナイフを持っている
一本のナイフを胸の中に
なんて苦しいんだ! そいつは深く突き刺さってる’
やがて調が転じて速度を落とし、曲想が変わって第2部に入る。
‘僕は眠っているときにも何て苦しい!
大空を仰ぐとき、そこに彼女の青い目を思い出す’
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第4曲<彼女の青い眼が>
彼女の青い目という歌詞が全曲からの流れを連想させる。
「さすらう若人」というコンセプトはこの曲で本格的に表現されている。
‘僕の恋人の青い目が僕を追い立てた
そして僕は大好きな土地から去らなければならなくなった’
第2節後半の路傍に菩提樹を見出す部分では、曲の表情が柔らかくなり安らかな憩いが歌われる。
‘道端に1本の菩提樹が立っていて、
僕はようやく眠りの中に安らいだ’
この曲の途中に出てくる旋律は、「第1交響曲」の第3楽章にも使われている。
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