第1曲<いま太陽は明るく昇る>
暗いホルンの前奏に合わせて、曲の中心となる暗い旋律が歌われる。この旋律は何度か繰り返し登場して、父親の傷心を表現する。
‘いま太陽は明るく登る、夜には何事もなかったかのように
不幸は私だけに起きたのだ’
やや速度を速めた情熱的な間奏のあと、もとのテンポによる最初の旋律で
‘私の居間でか細いランプの明かりが消えた
この世の喜びの光に幸いあれ’
とさびしく歌い終わる。
|
第2曲<いま私には分かるのだ>
やるせない絶望を表すモチーフが現れ、声がそれを引き継いで歌ってゆく。しばしば転調が重ねられ、悔やみの思いが濃くなってゆく。
‘今わたしにはわかるのだ、なぜあんなにも暗い炎をお前たちが私にほのめかしたのか
おお目よ!そこにこそお前たちの精一杯の力がこめられていたのだ’
第2節の後半で小さな盛り上がりがくる。
‘わたしは日常の忙しさのために気付かなかった
その光がすでにかなたの、あらゆる光のふるさとに帰るしたくをしていたことに’
最後は低弦のピツィカートのさびしい響きとともに終わる。
|
第3曲<お前のお母さんが入ってくると>
重いチェロのピツィカートの上をイングリッシュ・ホルンの哀切な旋律が流れる。
歌の出だしで4/4拍子から2/3拍子に変わり、すぐに4/4拍子に戻る。このような拍子の交代は頻繁に行われ、揺れ動く悲しみのこころを反映する。
‘お前の母さんが戸口から入ってきて、私が振り向くときまず探すのは
母さんの顔ではなくもっと低いところ
お前の顔があるはずのところだ
娘よ、お前がいつもはしゃぎながら入ってきたときにあったはずの’
最後は
‘おまえ、おまえ、父の宝
あまりにはやく消えてしまった喜びの光’
で頂点を築き、次第に力を落としてゆく。
|
第4曲<子供たちはちょっとでかけただけ>
「静かな感動をこめて、急がずに」ゆったりと歌が始まる。
‘子供たちはちょっとでかけただけ、そう私は考える
そのうちまた家にかえってくるだろう’
‘天気はよい!心配しなくてもいい!’
で新しい旋律が出て、ほぼ同じ形の第2節へと続く。
|
第5曲<こんなひどい嵐の日には>
激しい嵐を描く全奏が17小説に及んで流れる。その吹きすさびの中で
‘こんな嵐の日には、こんな荒れた日には
私はけっして子供たちを外へは出さなかったものだ’
と感情的な歌が始まる。
ひたすら激しく曲は続き、最後の節で「ゆるやかに、こもり歌のように」なって安らかに終わる。
‘あの子たちは母の家にいるように安らいでいる
雨にも風にも脅かされずに
神様の手にしっかりと守られながら’
|