作品成立史 多くの素材を参考にしながらマーラー自身が台本を作成し、1876年3月に完成する。歌劇として構想された説には否定的な見解もあるが、未完に終わった歌劇から部分的な引用が行われた可能性は高い。 コンテストに落選し発表の機会はなくなっても、作品の改定は続けられ、作曲から20年以上たった1901年に自身の手で初演が行われた。しかし第1部はカットされ、演奏者の規模も予算的な理由から縮小された。 第1部≪森のメルヘン≫はマーラーの義弟の息子アルフレート・ロゼーの所有となり、1935年に3部作の形での初演をウィーン放送で行った。彼はその後、この楽譜を私蔵したまま約34年間公開することはなかった。 その後アメリカ議会図書館の保管となり、コネチカット州のマーシャル・オズボーンなる人物の所有となった。3部からなる「嘆きの歌」の初演権はニューヘブン交響楽団のものとなり、1970年にフランク・グリーフ指揮で行われた。